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短編小説『ふたりのてんし』



ここは地球とは別次元の天使界のあるところ そこで神様たちのお手伝いをしているルーとナーは今日も大忙しです。 小さな羽を一杯に羽ばたかせて地球と天使界をいったりきたり。 天使界は一人前の大天使になるまでは二人一組で仕事をします。 二人の仕事内容は地上に生まれる人間が地上に慣れるまでのサポートや 肉体の寿命がきて亡くなってしまった人間をしかるべきところまで案内する仕事です。 ずっとその仕事の繰り返しで休みなんて概念はふたりにありませんでした。 そんな人間であれば途方にくれそうな毎日を過ごしていました。 そしてふたりもずっとそんな日が続いていくと思っていました、、、 そんな勤勉な仕事ぶりを神様は微笑ましく思っていました。 天使界のてんし達はその仕事ぶりや経験値によって羽の大きさが変化していきます。 ルーの羽は白い羽でもう地面を引きづるくらい大きくなっていました。 ナーの羽は黒い羽でおしりのところまで大きくなっていました。 ナーはルーの羽の大きさと綺麗な色をを見てライバル意識を燃やしていました。 そしてどうすれば羽がもっともっと大きくなるか悩みはじめていました。 神様はその理由をすべてお見通しです。しかしふたりの成長のために優しく温かく見守っていました。 ナーの羽ははじめは白でした。 天使界の御法度は地上界の人間への自由への介入です。 何があっても地上界では魔法を使ってはいけない。もしそれをしてしまった場合は どんどん羽が小さくなっていって堕天使界という羽がない天使の次元に移されてしまいます。 ある日のこと ある堕天使『お前、なんか悩んでるだろ?』 悩み苦しみんでいたナーは堕天使界と波長があってしまい堕天使界にはいってしまっていました。 堕天使のデビがナーに寄り添い耳元でこう囁きました。 『羽を大きくしたいんだろ?方法を教えてやる』 ナーは驚き、方法を教えてほしいと藁にもすがる思いでデビにお願いしました。 デビ『今すぐルーと縁を切れ。そして俺と組め。』


え!?そんなことはできないとナーは首を横に振りました。 地球で人間への自由の介入そして禁じ手の魔法を使った天使は堕天使界から追放され 神様の許可がない限り天使界、そして地上界への転生することは長い長い時間をかけて反省してまた羽が生えてくるまではそこから時空間移動することはできません。 デビ『お前さん、羽のことで悩んでるだろ?いいのか?羽がでかくなる方法教えないぞ』 ナー『くぅー・・わかったよ↓』 悩んでいたナーはデビの甘い誘いに乗ってしまいなくなくデビと組むことにしました。 ナーはその時知りませんでした。神様の前以外でお互いの合意がなくバディの契約を切った場合その天使界でバディを失った天使は強制的に地上のどこかわからないところに転生されています。 セオリー通りにいくと天使界の転生儀式はふたりの天使の羽が十分に成長し大天使となるために最後の試練と神様からご褒美として地上で勤務(地上で人間として人生を歩む)すること一般的な道です。 デビは長い長い堕天使界生活に飽き飽きしていてそのすべての仕組みを知った上で堕天使界に迷い込んだ天使がいたら地上にいって遊んでやろうと今か今かとずっとずっと待っていました。 デビはナーと組んだことにより小さな羽が生えてきました。 そして天使界の神様のところにすぐにいきました。 デビ『ということで神様。ナーと組むことなりました。また宜しくねー』 ナー『!? あれルーは!?ルーはどこ? ルーは??』 神様『なんじゃ?ルーはお前さんがデビと組んだからひとりで強制地上勤務になったぞー』 ナー『デビお前騙したなー!!』 デビ『騙すなにもちゃんと勉強してなかったお前が悪い、はっはっはー!!』 ナーはそれから家に戻り一晩中泣きました。 自分の無知さを何度も責めました。ルーと一緒に仕事をしていた日々を思い出してたくさん 泣きました。そして一番自分のしてしまったことに後悔して涙が滝のように頬をつたいました。 そしてナーは決意しました。 デビと転生の儀式をしてひとつの魂になり 地上のどこにいるのかわからないルーにまた会うために。

それは長い長い旅になります。 一度の人生で会えるかなんて神様も知りません。 『絶対にまたルーと会うんだ』 『そしてただただ謝りたい』 天使だったことを記憶をリセットされて人間として地上で生きているナーは

今日も心の奥底に運命の人を求めてただがむしゃらに生きました。 何度も何度も地上のほとんどの国を人間として生きていました。 『ねぇ、なんかうちら最近出会ったばかりなのになんだか懐かしいね』 『確かに、、、って慣れ慣れしーなーお前!なんだか伝えたいことがあったような気がするようなしないような』 『何?取り敢えずそんなのいいよー!行こう!今日はケーキをたくさん売らなきゃ! ケーキたくさん売ったら時給アップしてくれるって店長がいってた♡』 『よっしゃ!さくっとやっちゃますか!』 それは雪がしとしと降るクリスマスイブの日 幾多の時を超えてまたふたりの天使はまた出逢いました。 何があったのかはお互い知らずに・・・ スーツ姿の男『ケーキひとつくださいな』 二人『毎度!!』 スーツ姿の男『本当に仲がいいのう、、おっと、いけない。仲良しなんですねお二人は』 二人、顔を見合わせて 『はい!(照)ありがとうございました!!』 ーおしまいー


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